温度応力解析

ANALYSIS

温度応力解析とは…

コンクリート構造物の温度ひび割れは、セメントと水の水和反応による水和熱が原因で発生します。 コンクリート打設後の内部温度は、水和反応により80℃近くまで達することもあり、水和反応の終了後、数週間かけ外気温程度に降下します。 内部温度が上昇時のコンクリートは膨張し、内部温度が下降時のコンクリートは収縮します。

この温度変化により、ダム等の厚いコンクリートの表面収縮時に表面ひび割れが生じ、壁コンクリートの収縮時では底版に拘束され貫通ひび割れが生じます。


温度応力解析では、構造物施工初期に発生する温度ひび割れを事前に照査します。 そして、ひび割れ制御の対策を立案し、対策の効果を評価します。

温度ひび割れに対する照査・制御の検討・立案・評価を行うことを温度応力解析と言います。

温度応力解析の必要性

温度ひび割れの発生防止が大きな課題です。 特に近年、構造物の大型化、より高度な品質確保の要請、耐久性確保のための単位セメント量の増大、経験豊富な熟年技術者の不足等の理由でこの課題は益々重要性を増しています。

従来から多くの発注機関の共通仕様書でもマスコンクリートの施工に際し、温度応力および温度ひび割れに対する検討を要求しておりますが、現実にはダム等の特殊なケース以外は実施されてきませんでした。


しかし、近年は総合評価方式の発注形態に見られるように、施工者の品質確保に対する姿勢が重視されるようになっております。

そのため、温度応力解析に基づいた施工計画と温度測定に基づく緻密な施工管理の必要性が認識されつつあります。

従来、この解析はマスコンクリートの比重が高い土木分野が中心でしたが、近年では高層建築物の増加で基礎梁の大断面化が進む建築分野でも需要が増しております。


この解析は必ずしも安価なものではありませんが、解析結果に基づく温度ひびわれ対策は通常予想されている以上に工期とコストに影響します。 それだけに施工条件を十分に考慮した信頼性の高い解析技術が必要であり、また有効でもあるのです。

温度応力解析の流れ

温度応力解析の流れは以下のとおりです。

実績と対応方法

当社の実績は「実績表」を御覧ください。

全国の多様な構造物に対応しておりますが、近年は、床版や耐震補強壁などへの広がり、誘発目地・膨張材・低熱型セメントの採用など、ひび割れ対策手法の多様化が目立ちます。

当社の特長は、構造物や現場の特性・工期・施工性・工費などを総合的に考慮した最適なひび割れ対策の提案です。 施工計画段階での検討に留まらず、施工での温度測定結果に基づいて再度、逆解析を実施するなど、施工管理段階でのPDCAにも支援を行っております。

(具体例を参照)

また、施工条件の変化に応じて現場担当者への適切なアドバイスの継続や必要な場合は現地での説明など、きめ細かな対応を行っており、同一顧客からの再依頼が多いのも特徴です。

これにより、構造物の品質向上のみならず品質管理の内容が格段に充実し、発注者の高い評価に結実しています。 また、実測データの積み重ねは当社の解析技術の向上にもつなげています。

解析方法

解析は主として以下の文献を基準とします。

二次元解析

2007年-コンクリート標準示方書【設計編】

第12章「初期ひび割れに対する照査」

三次元解析

2017年-コンクリート標準示方書【設計編:本編】

第12章「初期ひび割れに対する照査」

「マスコンクリートの温度ひび割れ制御設計・施工指針(案)・同解説」

(社)日本建築学会2016.11

使用ソフト

三次元解析で使用するソフトは、以下のプログラムとなります。

使用ソフト

ASTEA MACS

(計算力学研究センター)

解析手法

構造物のモデル化、温度解析から応力解析まで3次元FEMで一連の解析を実施

2017コンクリート標準示方書の標準手法

特徴

乾燥収縮、自己収縮、膨張材効果、パイプクーリングなどの影響を含め、高精度の解析が可能

解析費用

解析費用の概算は下表の通りですが、構造条件、検討ケースの数などにより異なりますので、事前にご相談させてください。

費用
(税別)
所要日数
(参考)
二次元解析 1構造物につき
15万円~
7日程度
三次元解析 1構造物につき
30万円~
14日程度

※施工管理段階での支援業務については、別途ご相談ください。

業務依頼に際しては、「解析条件表」をダウンロードの上、必要事項を記入して当社までFAXまたはMailでご連絡ください。

参考資料のダウンロード

以下に参考資料(PDF)を準備していますので、ご活用ください。

今後もわかり易く、利用し易い資料の整備に努めて参ります。

参考 : 温度ひび割れ照査の簡易法

(社)日本コンクリート工学協会の「マスコンクリートのひび割れ制御に関する研究委員会報告書」(2006/6)において、条件は限定的であるが、 パソコンによる面倒な計算はなく、グラフから簡易にひび割れ照査が可能な方法の一例が記載されております。

これは、以下の条件でのひび割れ指数を評価するものであります。

  • 拘束の小さいスラブ(例えば、土丹基礎、栗石基礎、杭基礎上の底版)の上に構築される任意の幅・長さの壁状構造物
  • 高炉セメントB種 を使用した一般的な水密コンクリートの施工

    (W/C=55%、C=300kg/m3)

  • 型枠は木製パネル、脱枠材齢は7日

    (社)日本建築学会2008.2

この評価式をExcelにしたワークシートをダウンロードして利用できます。

上 記の文献内容はこちら(PDF)をダウンロードして参照できます。

お問い合わせ先

担当:山本、佃(つくだ)

電話:0857-28-5191

FAX:0857-28-5192